新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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62: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:53:44.15 ID:8ENUCYV1O

美波「でも、ニュースでは……」

戸崎「公的報奨金の支給はいっさいありません。亜人は犯罪者ではありませんから」


圭が亜人だとわかったとき、美波のなかに混乱と戸惑いの渦が起こった。その感情の渦には憤りも含まれていた。弟はふたたび命を吹き込まれた。なのに一体なぜ、わたしはそのことを喜べない状況にいなければならないのか。美波はさっきの戸崎の言葉によって、奥底に沈んでいた自身の憤りに気づき唇を噛んだ。

戸崎はその様子を観察していた。家族が亜人だった人間が表す感情のパターンを知識として記憶していたが、見るのははじめてだった。戸崎は美波が肩に力を入れ、指を強く握り、怒りに眉を寄せ唇を噛むのを見て、いまから言う言葉とその後の対処を決定した。


戸崎「もちろん、われわれも現状がベストであるとは考えていません。亜人本人の安全を最優先にした結果、プライバシーや人権に抵触する部分もでてきたのはまぎれもない事実なのですから。われわれとしても今回のようにある側面だけが誇張して取り沙汰され報道されるのは不本意なことなのです。亜人の保護管理というわれわれの活動に支障をきたしかねない」

美波「じゃあ、どうしてそう公表しないんですか?」

戸崎「公表はしているのです。ただ、だれもこの問題を知ろうとしていない」




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