580: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/04/17(火) 21:31:02.58 ID:7BzTB0Y9O
永井「おばあちゃんのトコにいたかったな」
永井は充電中のスマートフォンをいじりだした。画面の放つ白い光が永井の顔を照らして、闇に浮かべた。
永井「日付変わってる……あ、あれの日だ。知ってる? 子供向け番組、人形が歌うの。けっこう面白いんだよ」
永井がぶつくさつぶやく後ろではアナスタシアが座席のあいだから抜け出そうと、ずりずり身動ぎしている。アナスタシアが座席から抜けた右手をばたばたさせる。永井が座席をずり下がってアナスタシアの手のひらをかわした。
中野「やる気だせよ」
永井「やだ。もうおまえらふたりで全部決めていいよ」
中野「じゃあ、まずアーニャちゃんを帰して……」
永井「んー……」
中野「なんだよ? おまえ、アーニャちゃんも連れてくつもりか?」
永井「微妙」
そうこたえた永井は、ずり下がりすぎて背もたれにほとんど肩だけ預けていた。ちょうどそのとき、アナスタシアの頭がすぽんと抜けた。ぜえぜえと疲れた様子をみせ、一息つこうと反対側の座席にある飲み物に手を伸ばすが届かない。アナスタシアの指がペットボトルを何度もかすり、二の腕がぴりぴりと痛くなってきた。永井が話を先に続けた。
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20