新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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576: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/04/17(火) 21:24:47.66 ID:7BzTB0Y9O

 三人を乗せた車は高架下の駐車場に停めてあった。道路を行き来する車はなく、高架は屋根のように覆い被さっていた。高架の両側に並んだ平屋の民家も、近くにある踏み切りも、深夜なので真っ暗闇に呼応するように沈黙していた。音がしているのは永井たちがいる車の中だけだった。

 スピーカーの音量は絞ってあったが、中野とアナスタシアがぺちゃくちゃくっちゃべっていて、これが永井にはうるさかった。歌詞の解釈やレコーディング時の裏話などをアナスタシアは嬉々として語った。中野はふんふんと頷きながら感心したように話を聞いていた。アイドル本人が後部座席から歌っている曲の解説をしてくれるのがどれほど幸福なのか、中野はよくわかっていない。

 こいつら、いつまで話してるんだ。永井はいつまでも寝静まらないにふたりにげんなりしていた。

 中野もアナスタシアも親の言いつけを破ってはじめて夜更かしするときのように元気だった。肉体労働者らしい体つきの中野はともかく、細身の少女でしかないアナスタシアのどこからこんな元気が湧いていくるのか……。

 そこまで考えたとき、そういえばアナスタシアは姉さんとユニットを組んでいたっけ、と永井はいまさらながら思いあたった。


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