562: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/02/18(日) 21:44:49.33 ID:oL93h30zO
中野「で、これからどうする? まずはアーニャちゃんを家に帰さなきゃなんないよな」
出し抜けに中野の声が耳に届き、アナスタシアは顔をあげた。「えっ」という困惑の声が送りつけられた涼風に跳ね返される。風が鼻腔を通っていく。中野はうちわを左手に持ちかえていた。アナスタシアが考えに耽っているあいだも、うちわをあおぎつづけてくれたので、アナスタシアの額の汗はすっかり引っ込んでいた。
中野がアナスタシアを見やった。さっき洩らした声が聞こえたようで、どうして驚いたのかとすこし訝しげに眉をよせた。が、すぐに得心がいったように中野が声をあげた。
中野「アイドルが男に送られるのはまずいか」
永井「どこかの駅にでも置いてくればいいだろ」
永井が知ったことかという態度をあからさまに表情に示して言った。
アナスタシア「あ、あの!」
またもや言い争いになりそうな空気を察し、アナスタシアは声をおおきめに出した。
アナスタシア「アーニャはもう、亜人だってバレてて……」
中野「そうなの?」
永井「気づいてなかったのか?」
永井が信じがたいものを見る眼で中野を見た。
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