新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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56: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/28(土) 22:45:22.93 ID:8ENUCYV1O

専門家の意見が一般のそれと相違するのはよくあることで、意見の正当性にではなく相違があることそれ自体に文句がつけられるのも同じくらいの頻度で存在する。そのため専門家はそういった文句の受け流し方や対処の仕方を多少なりとも身につけていたりするのだが、今回の場合、警察は専門家とはいえなかった。なぜなら、亜人が発生したのは十年ぶりの出来事なのだから。

深刻な病状の患者に事実を伝えるのは経験を積んだ医師ではなくてはならないのに、その役目を不条理にも警官が任されてしまった。美波が問いかけてくるたびに、巡査部長はそんなふうに思わざるをえなかった。

やがて美波も目のまえの警官に訴えかけるのは無駄なことだと気がついた。かれらも何も知らないのだ。命令を受け仕事をしに来ただけのいち公務員に過ぎないかれらは、保証も確約もできない。できるのは捕獲すること、それだけだった。




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