514: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:25:27.28 ID:OBzab0O/O
だが、永井がその姿勢でいられたのは、束の間のことだった。
老人「私が責任をもって安全な場所まで連れていくよ」
永井をさらに安心させるため、老人は言葉を続けた。
老人「国に保護してもらおう」
永井「はあ!?」
永井はシートに沈めていた上半身を跳ね起こして、老人に向き直った。
老人「若いから窮屈に思うかもしれないけど、それが一番だよ!」
老人の提案は永井にとって、それが口にされた瞬間に結論となっていた。騒ぎすぎるマスコミが正しく報道をおこなっていないのは永井もおなじ意見だが、メディアが世間に流通している情報すべてが正しくないかといえば、もちろんそんなことはなく、複数のメディアから得た情報を突き合わせ、検討していけば、亜人を巡る現在の状況のおおよその見取り図はできる。
たとえ善意をもって味方になろうとしている人物であっても、この見通しが立てられない者は、永井には足を引っ張る邪魔者でしかなく、ましてや絶望してもいいくらいのマイノリティである亜人と国家との非対称的な関係性を想起できない奴など論外もいいところだった。
永井「ダメだ、こいつ」
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