新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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510: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:19:05.08 ID:OBzab0O/O

 玄関の戸がガラッと音をたてながら開けられたので、山中のおばあちゃんがその方向に眼をやった。村の顔役たちが集まる集会場に出かけていった永井が慌てた様子で、疾走でもしてきたのか、汗まみれになりながら急いで玄関の鍵を閉めているところだった。


山中「あ、圭君、どうだった?」

永井「バレた」


 永井は靴を履いたまま、たたかきから廊下に上がり、おばあちゃんの前を突っ切って、すれ違い様に「もうここにはいられない」とだけ言い残し、自分の部屋へと向かった。

 山中のおばあちゃんは動転しながら身体を永井が消えた方向に回して大声をあげた。


山中「そんな……出てってどうするんだい!?」

永井「どうしようもない! とにかくこの村から出ていかないとダメだ!」


 永井がワンショルダーのボディバックに荷物を詰め込みながら言い返したとき、玄関がガンガンと叩かれ、見ると、戸の格子のあいだに嵌め込まれた曇りガラスの向こうに何人もの人影がいるのがうかがえた。


北「山中さん! どうした、カギなんかかけて!」


 北の喚き声が玄関を突き抜けて家のなかにいる永井と山中の耳に届いた。乱暴なノックに玄関の戸は、まるでそこから逃げ出そうとするかのようにガタガタと揺れ動いる。


山中「圭くん、裏の窓から逃げな」

永井「うん、ありがとう」



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