509: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:16:32.76 ID:OBzab0O/O
堀口「あいつ……騙してやがったのか」
堀口は茫然とした面持ちをして言った。
石原「北さん、助かったよ」
吉田「でも鉄砲まで持ち出さなくても……」
北「ニュースで見ただろ! やつらがどんな生き物か! 油断してっとこっちがやられるぞ!」
北は話しかけてきたふたりから部屋全体へと視線を移すと、説得的な大声をあげた。
北「みんなで捕まえるんだ!」
石原「でももう出てってくれんじゃねーか?」
一方的な宣言のように聞こえる北の発言に、老人のひとりがおずおずと反対意見を口にした。
ぎろりとした脅しつけるような眼で発言者を睨んだ北は、憎しみを込めた声で言った。
北「あんな化け物がただで逃げると思うか?」
生々しい実感がこもった北の声を聞き、老人たちの背中に怖気が走った。かれらは我勝ちにといった勢いで集会場から飛び出し、逃げ出した亜人を捕まえるため、伝令と武器の取りに駆け出していった。
集会場に残っていたのは、北老人と堀口班長のふたりだけになった。堀口は猟銃にちらと眼を向け、それから北老人の顔を見ながら静かに尋ねた。
堀口「……北さん、何であいつが亜人だってわかった?」
北「……亜人だったろ?」
北はそれだけ答えると堀口に背を向け、集会場をあとにした。
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