504: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:08:23.73 ID:OBzab0O/O
膝を畳んで座った永井は堀口班長の周りにいる老人たちに目を向けてから話を始めた。
永井「山田さん、石原さん、吉田さん、堀口班長。たしかに、僕はどうしようもない人間です……いままでたくさんの人を裏切ってきたし……好き勝手やってきた……」
永井「みなさんも知っての通り、今年はじめ、地元東京で酒屋に忍び込み、窃盗で警察のお世話になりました。高校は退学、両親とたったひとりの兄弟にも見限られ……ここへ来ることになったんです」
永井「こうなるまで、僕は……人は一人じゃあ生きていけないんだと、気がつきませんでした……」
と、ここで、永井はゆっくり頭を垂れた。いままで感情を抑え込んだ静かな語りのトーンに震えが混じり出した。
永井「もうここしか、居場所がないんです」
永井は下げきった頭をすこし上げ、片目ですがるような視線を老人たちに見せてそう言った。
永井「ろくな挨拶もしてなかったし疑われるのは当然ですよね……でも僕は、本当に永井圭ではないんです」
永井「こんなことになってしまって、本当に……申し訳ないと思ってます」
永井「だから、どうか……(ここで涙が一筋、永井の頬を伝っていった)……ここにいさせてもらえないでしょうか……」
永井は深く頭を下げ謝罪の姿勢をつくった。
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20