503: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/12/22(金) 23:06:56.23 ID:OBzab0O/O
堀口「そんなこといわれてもな」
片ひざを立てて座っている堀口が、場が沈黙に飲まれるまえに口を挟んだ。
堀口「ひょっこり出てきたおめえを、良次君と信じろってのに無理があるぜ」
吉田「ああ、そうだ! テレビの写真もと似とる!」
老人たちは堂々とした態度の班長を目にして、自信を取り戻したようだった。彼らは堀口があっけらかんとした口調で言ったので、そのかまかけに気づいていない。
永井「あの……弁解させてください」
永井はちょっと困ったというように視線を下げた。詰問調に叫ばれた「なんだと!」という老人の声。永井は視線を堀口だけにむけ、取り巻きは相手にしないことにした。
永井「班長さん、まず、僕の名前は良次じゃなく良太です」
山中のおばあちゃんの孫の名前をあっさり訂正した永井は、老人たち、とりわけ堀口班長の反応をうかがい、手に持った紙袋を置いて下座に正座した。
永井 (田舎の集落ってのは村人同士があらゆる情報を共有しあってるし、閉鎖的だから仲間意識が強い。ここからの一挙手一投足に、すべてが掛かっているぞ)
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20