466: ◆X5vKxFyzyo[sage]
2017/10/23(月) 22:24:45.48 ID:rkcK97lyO
墜落現場の空は煙と埃で暗く、陽光が地上に届かないままだったが、いまもなお続けられている消火活動のおかげで火の手はかなり鎮まってきていた。消火水は雨のように墜落現場に降り注いでいる。落下する水滴はその過程で粉塵を吸い込み、すこしずつ大気を清浄に戻していく。ドス黒かった煙も火の手とともに燻ってゆき、ピークを過ぎた煙は、白く、小さくなっていた。
進入が困難と思われていた地点に陽光が射し込みはじめ、それがまるで道標のようになっていた。墜落地点の中心部に最初にアプローチしたのは、回転翼が六つあるヘキサコプター型のドローンだった。ドローンは細長いガンケースを輸送していて、安定した飛行姿勢のまま、水滴を浴びながら空を見上げる佐藤の足元に着陸した。
佐藤「ありがとう、奥山君」
飛び去っていくドローンに礼を言いながら、佐藤はガンケースのチャックを開けた。
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