447: ◆X5vKxFyzyo[saga]
2017/09/25(月) 21:03:03.85 ID:4fkctst+O
ーー午後三時一分。
送迎車は渋滞に捕まっていて、一向に前進する気配を見せなかった。
城ヶ崎美嘉と城ヶ崎莉嘉、赤城みりあの三人はすでに撮影を終え、プロダクションへ戻る道中だった。急ぐ必要がないとはいえ、遅々として進まない車の中でじっとしていなければならないのは、けっこう堪えるものがあった。とくに莉嘉とみりあは子供盛りの元気さが取り柄だったので、待ち時間や移動時間に生じる退屈との戦いが常なふたりにはなおさらだった。
しかし、車内のふたりはいつもと違って静かに口を閉じていた。美嘉もその理由は知っていたが、それだけにだんだんと耐え難い気持ちになってきた。
美嘉「渋滞、まだ続きそうですか?」
しびれを切らした美嘉が、運転手に聞いた。運転手がスマートフォンで渋滞情報を調べるかぎり、渋滞の原因は警察の検問であり、もうしばらく続くとのことだった。
莉嘉「警察?」
みりあ「なにか事件なの?」
運転手は爆破予告があったみたいと曖昧に答えた。返答がぼかされていたのは、アイドルたちに気を遣うというより、運転手が検問の理由にたいして興味がないからだった。
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