新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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423: ◆X5vKxFyzyo[saga]
2017/09/25(月) 20:17:51.22 ID:4fkctst+O

 美波にたいして効果を与えることが可能なのは現状では医師くらいなもので(それも大したものではなかったが)、アナスタシアもその他のメンバーやプロデューサーにできることと言えば、美波の味方であると伝えること、いつでもどんなときでも力になると何度も何度も伝えることくらいしかなかった。このことは彼女たちにはとても辛い事実だった。事態が深刻さを増すにつれ、言葉と実行性の溝が深まり、無力感も増していった。亜人を巡る社会状況にたいしてはどうしようもないとしても、それに押し潰されそうな美波にすらなにもしてあげらない。できないことの多くを認め、それでも寄り添うという意志を見せること。これを誠実に実行するのは、大人、医療に従事する者でも難しいことで、まだ少女であるシンデレラプロジェクトの彼女たちにはなおさらだった。

 このような状況のなか、プロデューサーはメンバーたちにまず自分のことを最優先にするよう告げた。自らの心身を健康に保ち、学校に行き勉強をし、友人たちと会話をし遊ぶ。プロデューサーは、彼女たちに楽しいと感じることに後ろめたさを感じてほしくなかった。

 アイドルとしての仕事についても同様だった。今の彼女たちは経験を積んだプロフェッショナルで、つらいなかでも仕事をこなすことができるだろう。だが、前提として彼女らは未成年で、大人が責任をもって保護しなければならない存在なのだ。プロデューサーは彼女たちが仕事を行うかどうかは、彼女たちの意志によって決定されるべきことだと考えている。だが、状況によっては自分や保護者が介入し、無理にでも休息を取らせることも必要だとも考えていた。自分を偽ってまで笑顔を作らなければならないというなら、無理して仕事を続けるべきではない。仕事に対する責任は、まずもって大人たちが背負うべきなのだ


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