新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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327: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 13:54:35.18 ID:8mPTevMeO

アナスタシアは反射的に黒い幽霊を発現していた。それはどことも知れないところから、だれともわからない人物が自分の顔面めがけて硬いボールを投げつけてきたとき、咄嗟に眼や鼻を腕を交差させて守るという動作に似て、反射的であっただけに正確さに欠けていた。発現したきり沈黙し立ちぼうけているアナスタシアの幽霊に、永井が発現した黒い幽霊が襲いかかり、その頭部を砕いた。


永井「その状態じゃあ、幽霊はまともに操作できないみたいだな」


制御を失ったアナスタシアの幽霊が地面に倒れる。崩壊していく星十字の幽霊の側に、右腕をなくした永井の黒い幽霊は膝をついている。黒い幽霊は頭を右に向けると、浅い呼吸を何度も繰り返しているアナスタシアを見つける。その黒い顔に、アナスタシアは恐怖を見る。


永井「待て! 殺すな」


黒い幽霊は首を巡らし、永井に向いた。黒い幽霊は一瞬無言だったが、すぐにアナスタシアに向き直り、永井の命令を無視して爪を開きながら残った左腕を振り上げた。永井は舌打ちし、幽霊とアナスタシアから目線を外し、次の無力化の手段を取り出そうとバッグを探った。




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