318: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 13:40:29.12 ID:8mPTevMeO
アナスタシアの予想は正しかった。アナスタシアが眼を覚ましてから十分くらい過ぎた頃、草を踏む音が静かに鳴っているのに気づき顔を上げると、永井が崖にそって歩いている姿が目に入った。コンビニに買い物に行くかのような足取りで、大きめのワンショルダーバックを肩にかけている。アナスタシアは慌ててタオルで汗を拭き取ろうとしたが、永井は思ったより早くアナスタシアの元までやって来た。
永井「待たせて悪かったね」
アナスタシアは立ち上がろうとしたが、その前に永井が丸太に腰を下ろしたので、アナスタシアも浮きかけた腰を下ろした。研究所で見たとき、短く刈られていた永井の髪の毛は元の長さに戻っていた。
永井「おばあちゃんに急に用事を頼まれてね。こんなに暑いのに草取りすることになっちゃって」
永井はショルダーバッグの中を探りながら遅れた理由を説明した。二時間以上遅れたわりには、その口ぶりに申し訳なさはあまり感じられず、せいぜい十分くらい遅れたような態度だった。アナスタシアが返事をする前に永井はバックから水筒を取り出し、アナスタシアに差し出した。
永井「麦茶でよかったら」
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