新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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316: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 13:36:53.10 ID:8mPTevMeO

永井圭から連絡がきたのは二日前。オフの日を利用して千葉県までやって来た。距離からすればそれほどでもないが、交通機関がほとんどない地域で、早朝に出発したにも関わらず、永井が指定した地点に到着したのは、待ち合わせ時刻の正午直前だった。山中での合流は、迷ってしまうのではないかと不安だったが、永井は合流地点への道順を交通機関の利用も含めて詳細にメールしてきて、山中の移動は方位磁石の距離測定のアプリを使いながら永井が置いていった目印をたどることでほとんど問題なくすんだ。合流地点には、まるでベンチのように二本の丸太が草の上に転がっていた。

アナスタシアは到着した直後黒い粒子で狼煙をあげ、永井に到着を知らせた。これも永井の指示で、アナスタシアは黒い粒子にこんな使い方があるとは考えもせず感心していたのだが、永井からの返答はなく、現在も待ちぼうけている状態だ。さっきも黒い粒子で何度目かになる到着のメッセージを送っているのだが、空にもケータイにも一向に連絡はない。



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