298: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 13:06:52.84 ID:8mPTevMeO
下村「え」
突然の命令に、下村はハンドルも持たずに聞き返すことしかできない。
戸崎「じゃあ替われ」
部下が指示を遂行できないと判断すると、戸崎は冷たい横目を向けながら言った。逃げる中野の耳にエンジンの音が聞こえる。その音の急激な接近と音量の増加に、中野の脳は危険を察知する。危険の正体を確認するため、中野は反射的に後ろを振り向く。それが自動車だと理解する前に、中野の身体がバンパーに追突する。一回転しながら、ボンネットに乗り上げた中野の身体は、戸崎がブレーキを踏み込むと前方に吹っ飛ばされ、地面に落ちて全身がひどく打ち付けられる。
戸崎は顔色ひとつ変えず車から下り、麻酔銃を構える。中野がふらつきながら立ち上がる。額から割れた果物のように血を流し、さらに出血が酷くなった右脇腹を押さえ、戸崎を睨む。下村は痛めつけられた亜人を見ながら、悲痛さを感じている。
この睨み合いに突如して救急車が乱入してくる。
中野「は?」
戸崎「!」
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