新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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226: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 22:09:44.28 ID:AMJLL1TVO

佐藤の幽霊の左の肘打ちが、永井の幽霊に残された右拳を奪った。


IBM(佐藤)『それでどう戦う?』


永井の幽霊は失われた両手を見ながら、考え込でいるのか黙っている。佐藤の幽霊は左腕が肘から先が消失していたが、まだ右腕が完全な形で残されている。扁平な頭をした幽霊が、防御も反撃もできない永井の幽霊の頭部にむかって鋭いストレートを放つ。


IBM(永井)『おまえも……頭を……』


黒い幽霊はそのパンチをすばやく右にスウェーすることでかわす。佐藤がその反応に感心した様子を見せる。永井の幽霊は地面を割るみたいに強く踏み込み上体を勢いにのせると、佐藤の幽霊の頭部にみずからの頭部をぶつけた。


『なんだ、四十七人もいるのか』


佐藤「ん!?」


『How many times do I have ーーl you? You've got to learn ーーen!』


永井「!?」


衝突の瞬間、黒い幽霊の頭と頭が一瞬だけ溶け合うようにひとつになり、永井は佐藤の記憶、佐藤は永井の記憶が逆流してくるのを、脳に閃いたイメージの通過として感じ、特別な力を持った人間がはじめて他人と感応したときのように驚きの反応を示した。



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