225: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 22:07:53.64 ID:AMJLL1TVO
永井「でもアンタは助けたい」
屋上の端に到達した。永井は左手で右手首を掴み、研究員の身体を支えながら縁に立った。
永井「ココから落とす。それしかない」
永井 (「〇〇メートルから落ちたら死ぬ」という明確なデータはない。四十七階から落ちても助かった事例があるくらいだ。だが、やわらかい土や雪の上に落ちれば生還率は確実に上がる)
永井「どこだ……どこがいい」
永井は研究所の中ほどにあるバルコニーに植込みを見つけた。通路では黒い幽霊同士の争いがつづいている。佐藤の幽霊が永井の幽霊の拳に打撃をあたえ、両者の左手が消失する。
永井「いいですか、膝をくの字にしてください。行きますよ!」
研究員3「待て」
永井「え!?」
研究員の思いもよらない強い口調に、永井は手を止めた。
研究員3「アレが……見える、か……?」
永井「アレ?」
研究員は震える頭を動かし、永井に言ったものの方向を示す。
研究員3「車で……送れ……な、かった、から……アレなら……逃げられる、かも……」
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