223: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 22:02:48.84 ID:AMJLL1TVO
真っ直ぐ突き出された打撃をかわした黒い幽霊は、佐藤の幽霊が右腕を引き戻す前に爪を立て腕を振るい、右腕を切断した。切断された腕は一瞬だけ宙に静止すると、黒い粒子が結合を図ろうと活性化し、断面の粒子が磁石に引っ張れられる砂鉄のように逆立った。佐藤の幽霊は再結合途中の腕を引き、くっついた瞬間、攻撃後の隙を狙って永井の幽霊の頭に強烈なアッパーカットを打ち上げた。空中の腕が拳を作ったことを見てとっていた永井の幽霊は、スウェーすることでその攻撃をかわした。
永井 (頭を狙ってる?)
佐藤の幽霊の攻め方を観察していた永井は、自身の黒い幽霊にむかって叫んだ。
永井「おい! おまえも頭を狙ってみろ!」
黒い幽霊は背後から飛んできた命令に振り返らず、愚痴をこぼすように言った。
IBM(永井)『ったく、なんで皮肉……を言われなきゃ……』
永井「ああ?」
佐藤「おお、命令無視もするのか」
佐藤は、余裕がある感じで永井の幽霊の振る舞いを興味深げに観察していた。佐藤の幽霊はボクシングの構えをとったまま、距離をとっている。黒い幽霊はゆっくり永井に振り返った。
IBM(永井)『ひとりでカワイソウだ……から、構って……やってた……だけだ……しね』
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