208: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 21:03:01.39 ID:AMJLL1TVO
発砲音が二発つづいた。シリンダーとノブの下部が吹っ飛び、鍵が破壊されたドアが銃弾を受けた衝撃ですこし開いた。その隙間から射し込む光は暗闇にうすい切れ目を入れ、部屋の奥の方まで延びたが壁にとどかず、まるでこの空間が安全でなくなったかのように、途中で途切れてしまった。
研究員2「え!?」
ぎいぃぃと、ドアがか細く軋みをあげながらさらに開いた。拳銃を持つ手、黒い色をした、鋭くとがった爪を持つ六本指の手、佐藤が発現した黒い幽霊の手が部屋の中に入り込んできた。
研究員2「いいぃ……?なに……」
IBM(佐藤)『あ、見えるかい?』
ハンマーを元の位置に戻しながら、幽霊は研究員に頭を向けた。佐藤の幽霊は永井のと異なる頭部の形状をしていて、扁平な頭頂は先にゆくほど細くなり、そのかたちはハンチング帽か下顎から上が真っ二つに切断された爬虫類の頭部といった印象をあたえた。佐藤は通路を歩きながら幽霊を通して研究員に話しかけた。
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