新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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200: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 20:44:39.00 ID:AMJLL1TVO

永井は急に息苦しくなった。実在感を獲得した恐怖の感情は窒息器のように作用し、永井の呼吸を阻害した。自分自身のいやおうのない消滅を避けられず、情け容赦の無い事象が存在の根を切断していこうとするのに、抵抗の努力はすべて敗北する。無力感が巨大で物質的なものに思え、精神でなく肉体までも破壊していくように感じる。佐藤の足音がさらに近づく音を聞くと、毛穴が開き、身体から水分といっしょに空気まで抜け出ていくような脱力に襲われた。


研究員3「永井圭、君」


マスクの研究員が永井にゆっくり呼びかけた。永井は研究員のほうを向いた。


研究員3「やめてかまわないよ」


研究員の同僚が驚いているのを尻目に、永井は首をもとの位置に戻した。それから歯を噛み締め、顎をあげながら静かに口を開いた。


永井「やめない」

永井「アンタを、外に出す。そうするべきだ……たぶん」




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