199: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 20:38:51.88 ID:AMJLL1TVO
佐藤「私はいまから、必ずきみを断頭する」
佐藤「そしてその頭を拾い上げ、すこし離れたところで、新しい頭が作られてしまうさまを、絶命するまで観察させる」
佐藤「さて、新しくできたきみの頭は、脳は、心は、今のきみなのか?……否だ。きみはこっち。ココでおしまい」
佐藤の声がだんだんと永井のほうに近づいてゆき、それとともに音節の明瞭さも増していった。永井の脳は声を聞きながら、佐藤の説明する死についてのイメージを自動装置のように描き出していった。切断され宙に浮く自分の頭部、髪を掴まれ頭皮が引っ張られる感覚、しばらく続く眼球の運動、首の無い死体、切断面から立ち昇る黒い粒子、死と再生、そして“終わり”。永遠に。“こっち”にいる永井は、宇宙に先んじて“終わり”を迎え、宇宙が終わるまで“終わり”続ける。切断、持続、接続、永遠、無縁、という語句が永井の頭に浮かんだ。
佐藤はさっき死ぬまえに見せた凶暴な笑みをふたたび顔に浮かべ、はっきりと明確な意志を感じさせる一歩をさらに踏み出し、締めの言葉で断頭宣言を終えた。
佐藤「私を殺したことを、死ぬほど後悔させてやる」
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