201: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 20:46:17.22 ID:AMJLL1TVO
佐藤が三列目のラックのあいだを探し終えたとき、中央五列目と六列目のあいだから三本の指がのぞいているのを見つけた。佐藤はラックの側面に左手を添え、床に座っているであろう永井の首めがけてナイフの刃を振り下ろそうと、右腕をあげた。
ラックの陰に残っていたのは、切断された三本の指だけだった。
佐藤「え?」
ラックの上にいた永井が佐藤めがけて静かに落ちてきた。左手に金属こてを握りしめ、親指と人差し指が残された右の手のひらを握りにあてている。
永井 (狙いは首のうしろ。脊椎。うまくいけば殺さず、全神経を断てる)
ふたりの身体が重なり合った。ぶつかったときの衝撃が互いの身体ににぶく響きわたり、刃物はふたりを繋ぎとめるみたいに、一方の身体を貫いた。
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