新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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196: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/05/16(火) 20:33:47.75 ID:AMJLL1TVO

研究員2「なあ、麻酔銃ないか!? いまのうち! 二発!」

研究員3「え?」


マスクの研究員が同僚の言葉に十分に反応できないでいると、佐藤の身体から黒い粒子が噴き上がり始めた。黒い粒子は、赤く歪な銃創を覆い隠したかと思うと、損傷箇所を修復し傷口を閉じていった。修復が完了すると、佐藤は瞼を開けた。


佐藤「どこに隠れた?」


佐藤は立ち上がり、備品室に並べられているメタルラックの列を見渡した。一列につき六台のラックが並べられていて、永井たち三人は、三列あるうちの中央、いちばん奥に配置されている六台目と五台目のラックのあいだに身を隠していた。


永井 (武器もない。ルートもわからない。どうやって脱出するか……)


永井が荒い音が出ないようにゆっくり呼吸を整えながら考え込んでいると、隣にいる前髪を鶏冠のようにあげた研究員が愚痴をこぼすのがきこえた。


研究員2「まさか亜人と隠れることになるとはなあ」

研究員3「よせ、かばってくれたんだぞ」

研究員2「ふざけんな。そもそもコイツがアイツを呼び寄せたんだ」

永井「えーっ。脱出をふいにしたのに」




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