新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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162: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/23(日) 20:53:38.23 ID:5HbT9nK2O
十日後、雨がしつこく篠突いている中、今日も各報道局のレポーターがレインコートを羽織りカメラに向かって報道している。

この日はアメリカからオグラ・イクヤ博士が来日・視察のために研究所を訪れる日だった。生物物理学者であるオグラは九九年に渡米し、同地で亜人研究トップクラスの地位を得ていた。亜人研究は各国競争状態で、基本的に他国の亜人事情にはノータッチが原則なのだが、日米の一部の研究機関は協力関係を結んでおり、日本で新しい亜人が発見捕獲された場合オグラ博士が視察することになっている。

博士を乗せた車両が研究所のゲートを通り抜けるあいだ、レポーターたちはこれらの情報を説明していた。ゲート周辺は幾つもの光源が寄り集まり、ひとつの大きな光のドームを作っていた。そこでは雨筋が白い糸となり、垂直機織でもしているかのように上から下へと送られ続けている。ゲートのすぐ横には二メートル程の高さの植込みが光を遮る壁となっていて、黒い葉を雨で揺らしながら敷地の内と外を区切るフェンスを光から遠ざけていた。



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