104: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/03/24(金) 21:58:56.87 ID:NJ9NkxEDO
部屋の中には千川ちひろと今西部長もいた。二人は立ったままで彼女を視野に収めるくらいのことはしていたが、それは眼の位置がそうさせているだけのことであってそこに見守るという大人らしい態度は希薄だった。亜人について、大人も子供もほとんどなにもわかっていなかったからだ。わかっていないということを自覚する以前の無関心さは、この部屋いるすべての人間が共有していた。
プロジェクトルーム入り口のドアが開いた。プロデューサーが会見場から帰ってきた。プロデューサーは無言状態が重くのしかかる部屋の様子を見て一瞬止まった。慎重にドアを閉め、部屋の中央、テレビのあるところまで歩いていく。プロデューサーは視線がまず歩いている自分に向けられ、それから後方の無人の空間に流れていくのを感じながら部屋を横切った。断りをいれてからテレビの電源を切り、 部屋のなかを見渡す。アイドルたちは、喉に言葉が詰まっているかのように自分を見ている。部長とちひろは聴く姿勢を整えていた。
みりあ「美波ちゃんは?」
メンバー最年少の赤城みりあが訊いた。
武内P「新田さんは亜人管理委員会の方といっしょに病院に向かいました。妹さんの聴取に同席されるそうです」
プロデューサーは視線をみりあから全体へと戻し、他に質問がないかと数秒のあいだ待ってみた。質問はなかった。彼女たちはプロデューサーの言葉を待っていた。
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