98:名無しNIPPER[saga]
2017/05/07(日) 21:41:31.66 ID:GCuDn6z20
「連絡は?」
「あ…いや」
僕が言い切る前に北上は黙った。
「それならいいよ。あと見てもいいけどつまんないよ」
彼女はシーツを巻き終えると、バスタオルに手をかけた。
僕は慌てて顔を背けた。
…予想していた北上からの指摘はなかった。
「終わったよ」
僕と同じくバスローブを巻いた北上に言われ、僕は前を向いた。
彼女は何も言わない。
立ったまましばらくいただろう。
北上がベットの上を移動してから言った。
「…突っ立ってないで来なよ」
「ああ」
言われてベッドに腰掛けると、さっさと北上は布団を被った。
彼女は僕に背を向けたまま言う。
「もう寝よう。死にたいなら手を出してもいいけど」
返事を返せなかった。
その間に北上は照明を落とす。
薄暗い空間の中、僕もどっと疲れが出てきた。
…もう、いい。
そう思ったが早いか、僕は彼女と同じ布団に入った。
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