67:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 01:13:21.65 ID:0X8V4sWT0
「塩対応だ。三枚目なのに」
腹が立ったが黙っていた。
北上はポスンと僕の前に座る。
「妥協案を出すよ提督。勝つつもりなら、接戦したまえ」
「…なんだ?」
「上に仕方がないと言わせるためさ」
そう言うと、北上は僕を見て笑った。
「君は不器用だね。不器用な人間は死ぬべきだよ。
ねえ提督。人の話の中でそんな不器用な人間が好まれたり、
報われる理由って考えたことある?」
「…?」
「餌食にするためだよ。我々は他人を利用して生きてるからね。
生き方の下手な奴が犠牲で必要なのさ。
下手な奴ってのは往々にして他人の利用の仕方をしらないんだよ」
「それは間違ってる」
「いーや真実だよ。
なら…証明しようか、提督」
僕は北上を見る。
「今回の演習、勝ちにさせてあげる」
「は…?」
「代わりに、提督は私の言うことを聞く。どう?」
「ふざけるな」
「ふざけてないよ。何、自分で負けて悔しいって言ったくせにさ、
勝てないと思ってるの?」
「……俺が乗る理由がない」
「ま、確かにね。ならいいや。あたし勝手にするよ。
けど、忘れないでね」
北上はそう言うと立ち上がる。
「勝つよ、今回」
僕は答えなかった。
北上はそのまま立ち上がると、どこかへと消えた。
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