188: ◆3em28n6/NM[sage saga]
2017/04/08(土) 18:01:57.36 ID:z+8iKsTi0
――――
『えー、次は――、次は――』
少し鼻っぽい声が次の行き先を告げる。
京太郎(ん……まだもう少しかかるか)
鶴賀までの道をぼんやりと思い出し、ふわぁと欠伸。どうやら眠っていたようだ。
マホ「起きました?」
京太郎「うん、おはよう。……で、良いよな?」
陽はもう高い。そろそろおはようでは通じない時間だが……。
マホ「はい、おはようございます!」ニコッ
京太郎「楽しそうだな」
マホ「はい!遠足みたいでワクワクします!」
京太郎「……そうか。言っとくけど、遊びで行くんじゃないからな?」
マホ「分かってます。麻雀を打ちに行くんですよね!」
京太郎「ん、まあ実質的にはそうだ」
マホ「楽しみです!鶴賀学園……長野における、今年一番のダークホース!
一体どんな打ち手がいるんでしょうか……」ワクワク
京太郎「……まあ、その気持ちは分かるんだが……」
正直言って、京太郎も昨夜は落ち着かなくてよく眠れなかった。
京太郎「鶴賀も清澄と同じで、団体戦に出てたメンバーしかいないぞ」
マホ「!!そうだったんですか!」
京太郎「ていうか、今年の長野の団体戦ベスト4って、風越以外どっこも選手層薄いよなぁ。
部員80人いる風越も凄ぇけど」
マホ「80人……そんなに多いと、名前を覚えるのも大変そうですね」
京太郎「そう考えると部員が少ないのも悪くない、か?……いや、やっぱり選手層は厚い方が良いよ」
マホ「えー?皆で出れる清澄とかの方が良いと思いますけど」
京太郎「いやいや、IHの団体戦だってメンバーが完全に決まってるわけじゃないだろ?交代とかさ。
交代できない学校は、必然的に同じ選手が打ち続けることになって……他校に対策されやすくなる」
マホ「ふぅん……じゃあ先輩も、鶴賀学園の打ち手の対策はバッチリですか?」
京太郎「もちろん。つっても、清澄の皆に聞いただけだがな」
――(回想)――
京太郎「なぁ優希。お前がIHの団体戦で、長野の決勝で当たった人なんだけど……」
優希「ノッポか?それとも風越のお姉さん?」
京太郎「いや、どっちでもない。鶴賀の人だ。確か名前は……津山さん」
優希「ああ。あの地味な人がどうかしたか?」
京太郎「今度、鶴賀に行って麻雀打ってくるからさ。どんな人なのか聞いとこうと思って」
優希「どんな……って言われても。落ち着いた人で、打ち方は……そんなに特徴は無かったじょ。
強いて言うなら、ノッポとお姉さんに削られて大変そうだったじぇ」
京太郎「ふぅん……分かった、ありがとな」
優希「おうっ。礼はタコスでいいじょ!」
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