京太郎「俺たちの……」マホ「可能性……?」
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174: ◆3em28n6/NM[saga]
2017/01/26(木) 15:27:53.35 ID:YrfCuXWK0

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帰りのバスにて。

和「ぐっすりですね、マホちゃん……」

京太郎「和。……そうだな、疲れてたんだろ」

マホ「……」スヤスヤ

衣との対局のあとは、集中が切れてチョンボを連発していたほどだ。

京太郎(それでも、上手くなりたくって……足掻いてるんだもんなぁ……)

頭を撫でかけ、止める。起こしては悪い。

和「須賀君……ごめんなさい」

京太郎「え?どうした、突然」

和「私は、マホちゃんに麻雀を教えてくれる人として……貴方に、期待してしまいました」

京太郎「俺に?」

和「はい。実は、あの日……マホちゃんと須賀君が初めて会って、卓を囲んだあの時。
須賀君は、マホちゃんに麻雀を教える上で……私に足りない物を持っていると、気付いたんです」

京太郎「和に無い物を、俺が?麻雀でか?」

和「麻雀で、と言うよりは……人に物を教える上で、と言う方が良いでしょう。それは……初心、です。
文字通り、初心者なら誰もが持っている感情、観念……そして、私が忘れてしまった物」

京太郎「……初心」

和「ええ。私は、もう随分長く麻雀を打ち続けて来ました。
初心者だった頃の気持ちが思い出せない程に……」

京太郎「……だから、マホちゃんみたいな初心者に教えるのは、上手くいかないって事か?」

和「……目標には、してくれているようですけど。
残念ながら……私は、マホちゃんがどんな風に打ちたいのかが分からないんです」

京太郎(デジタルを極めて、ブレを失ったから……ブレるマホちゃんの打ち方が理解出来ない、って事か)

和「……須賀君は、確実に成長した。あの日の対局を見て、マホちゃんの先生に相応しいのは……と。
そんな勝手な思い込みをしてしまって。そのせいで、差し込みにもキツく言ってしまいましたし……」

京太郎「いや、まあ……あれは俺が悪かったしな」

和「……そうですね。でも、私は貴方に理不尽な怒りをぶつけていたのかもしれない……と。
だから、謝らせて下さい。……勝手な期待をかけて、すみませんでした」



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