勇者「救いたければ手を汚せ」 
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216:名無しNIPPER[saga]
2016/12/20(火) 00:43:12.27 ID:vYhwAq/BO

一方、娼館主はやり切れぬ表情をしている。

出来ることなら皆で、と思っていたのかもしれない。

だが彼女も裏社会で生きる人間だ。

現実がそう上手くいかないことは分かっている。

しかし、長らく危険から遠ざかっていた所為か、他人を切り捨てることへの躊躇いが生まれてしまったらしい。

(昔なら、こんなの当たり前だった。生きるってことは、何かを犠牲にすることなんだから)

(店持って甘くなったのかな。今さら綺麗な生き方しようったって無理なのに……)

それを感じ取った道化師が、消沈する娼館主に声を掛けた。

「混乱した彼等の様子を見ただろ。ああなったらボク達では助けられない」

「いいか、ボク達は普通の人間なんだ。盗賊や勇者のような『特別』じゃない」



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