勇者「救いたければ手を汚せ」 
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206:名無しNIPPER[saga]
2016/12/20(火) 00:15:47.51 ID:vYhwAq/BO

「これで終わりよね。私、もう嫌よ」

「ボクもそう願いたいね。あんなことをするのは人生で一度で充分だ」

紋章を探し出す作業は苦痛だった。

何よりも苦痛だったのは、分岐路へ差し掛かるたびに魔術師の存在だ。

皆が集中して探し出そうと躍起になっているのに、彼女ときたら何もせず立ち尽くすだけ。

それだけならまだ良かったのだが、「さっさと見つけなさいよ」などと言い出すのだから堪らない。

これに苛立った娼館主が

「だったら突っ立ってないで、あんたも手伝いなさいよ」と怒鳴ったのだが……

「こんな汚い所で膝を突くなんて嫌よ。服が汚れるじゃない」

という、予想を遙かに超える言葉が返ってきた。



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