勇者「救いたければ手を汚せ」 
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195:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 02:18:02.58 ID:NG5ps7hHO

(おそらく外にもあの化け物がいる)

(しかし、このまま医療所にいても仕方がないですね。怪我人がいるなら助けないと)

意を決して出入口へ向かうと、やはりオークが徘徊していた。

生者の匂いを嗅ぎ付けたのか、出入口付近のオークがしきり辺りを見渡している。

咄嗟に身を隠そうとしたが失血の影響で足がもつれ、その場に倒れてしまった。

体勢を立て直した時には、既に此方に向かって走り出していた。

鈍重な見た目とは裏腹に脚は速い。

振り向いて逃げる暇などない、彼女は本能的に後ろへ飛び退いた。

瞬間。何かが鼻先を掠め、前髪がはらはらと舞う。

尻もちを突きながら前を見ると、振り下ろされた棍棒が床を抉っていた。

先程のオークは不意を突いたから何とかなったものの、今は為す術がない。

手当たり次第に床に散乱した物を投げ付けるが、そんなもので止まるはずもなかった。



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