勇者「救いたければ手を汚せ」 
1- 20
189:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 02:00:21.11 ID:NG5ps7hHO

(惨い、惨すぎる……)

遺体は寝たままの状態だ。きっと何の抵抗も出来ないまま殺されたのだ。

抵抗したとしても敵うはずはない。奴等は、こんな弱者さえも殺すというのか。

いや、きっと動けようが動けまいが関係ない。命あるものすべてが殺害対象なのだ。

あの化け物共は兵士も患者も区別なく、生きていれば誰であろうが殺すだろう。

殺すために生き、殺しを愉しむ生物。彼女の亡骸を見て、治癒師は確信した。

「いた 雌一匹いた」

背筋を這うような声に脈が跳ね上がる。

照明も破壊されているため顔は見えないが、嗤っているに違いない。

全体像より先に見えたのは鋸だった。べとついた赤が山なりの突起を伝っている。

鋸から滴る血が床に落ちたが染める余白はない。彼女の血が、既に床一面を染め上げている。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
674Res/446.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice