160:名無しNIPPER[saga]
2016/12/11(日) 00:26:56.02 ID:qKo0UXK4O
(それほど硬いわけでもない)
(一匹なら問題はないだろうが、囲まれれば為す術はないな)
大柄な男。酒場の店主に怖れはなかった。
先程見せた躊躇いのなさ、武器を奪う冷静さは、戦場に慣れていることを証明している。
斧を抱え腰を落とし、やや前傾で走る姿は兵士のそれに違いなかった。
息切れした様子もなく曲がり角に着くと、壁面にぴたりと身を寄せ大通りの様子を窺う。
(どこもかしこも化け物だらけだ。裏道を使うのは得策とは言えんな)
壁面から身を剥がし大通りに出ると、そこは既にオークで埋め尽くされていた。
道を引き返し路地裏から進もうかとも考えたが、狭い路地で複数に囲まれれば終わりだ。
幸いにも。と言っていいのかは分からないが、オークは手にした獲物の破壊に夢中だ。
こちらに気付いている様子もない。
このまま全力で走り抜ければ問題はないだろう。
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