161:名無しNIPPER[saga]
2016/12/11(日) 00:31:08.07 ID:qKo0UXK4O
(……すまん)
今まさに殺害されようとしている若い男に謝罪の視線を向け、大通りを走り抜ける。
背後から聞こえていた悲鳴は絶叫へと変わり、それから一瞬の静寂が訪れる。
しかしその静寂も新たな絶叫に塗り潰され、切り刻まれた死体から滴る血が積もった雪を染め上げた。
(まるで血の川だな)
靴底が地面を叩くたびに水溜まりに足を突っ込んだような感覚があった。
僅かにぬめりを帯びたそれは徐々に浸透し、ものの数秒で靴の中を満たした。
ぬめぬめとした液体が踵から指先まで舐め尽くすような感覚に堪らず顔を顰める。
靴を脱ぎ捨てたくなる衝動に駆られたが、そんなことをしている時間はない。
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