83:名無しNIPPER
2016/12/17(土) 21:32:11.20 ID:wE4VPC8M0
「…ヴヴヴゥ……」
二人の眼前で怪人を形作っていくバグスター粒子は、デスボイスのような重低音の唸り声をあげなら二人を睨み付けた。
体中にチェーンやトゲを巻き付け、顔はコープス・メイクのような白黒…さながらヘヴィメタルバンドのメンバーのような風体を持つ獣人の怪物であった。
「オ゛ォ…オ゛オ゛オ゛…」
野獣怪人は狼のような口を半開きにし、涎を滴らせながら唸り続ける。
「言葉も解さぬ獣か…へぇ、こんな奴もいるんだね」
「どちらにせよ、敵です」
スチャ、とガシャコンロッドを構えるありす。彼女の周囲にいくつもの光弾がまたたく間に現れる。
「ヴォゥ!ヴォゥヴ!」
それを見た野獣怪人は低く吠え、片手を地に付けた獣らしい野性的な構えを取った。
「はぁっ!」
ありすが杖を振るうと、光弾は曲線軌道を描いて野獣怪人に襲い掛かる。
「ウオ゛オ゛ッ!!」
対し怪人は、すさまじい速さのスプリントでその弾幕へと飛び込んでいった。
「なっ…!」
目で追うのもやっとほどの黒い弾丸と化した野獣怪人は、弾幕を低姿勢で避けると、ありすへと猛烈なタックルをかます。
「あがっ…!」
「っと…!」
飛鳥が反応したときには、ありすは既に奥の花壇へと頭から突っ込んでいた。
「ハハ…大丈夫かいありす!」
「っつ…平気です!ちょっと出足を挫かれ…っ!」
「ア゛オ゛オ゛ッ!」
花壇から起き上がったありすに怪人は飛び掛かるように追い打ちを仕掛ける。
が、その体が空中でいくつも爆ぜ、怪人は呻き声をあげて横へとそれた。
「全く、無視しないで欲しいね」
ガシャコンデュアライザーを構えた飛鳥が銃口から立ち昇る硝煙をフッと吹き消す。
「…一応、お礼は言っておきます。ありがとうございます」
ありすはムスッとした表情で起き上がる。
「一人では辛い相手だ。フフッ、共同戦線と行こうじゃないか」
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