82:名無しNIPPER
2016/12/17(土) 21:29:00.04 ID:wE4VPC8M0
―――…
「キリがありません…」
「全くだ、本体に攻撃が届かないね」
飛鳥とありすはキノコバグスターを挟んだ形で追い詰めようとするが、周囲の菌糸から無尽蔵に湧き出すキノコ人形が攻撃をことごとく阻んでいく。
「…ここはひとつ、協力しようと思わないかい?」
飛鳥がひゅっ、とひと跳びにキノコバグスターを飛び越えてありすの傍へ降り立つ。
その間にも銃撃を仕掛けているのだが、やはりキノコ人形が全て防いでしまった。
「仕方ありませんね…」
「キミの魔法で、このキノコ共を蹴散らしてくれ。ボクがトドメを差そう」
「はぁ?あなたの方こそ、その二丁拳銃で道を切り開いてください。私がとどめを差します。私の方が高威力です」
「…全く」
言い争っている場合ではない。飛鳥はやれやれと右の拳銃、青いそれに刻印されたBボタンを連打した。
「抉れッ!」
マシンガンじみた連射が拳銃の口から吐き出される。
部屋狭しと埋め尽くし始めていたキノコ人形たちが、一直線に大きく削り取られた。
「はあっ!」
そこを炎の槍と化した杖を持ったありすが貫く、即座にキノコ人形は再生しようとしたが、間に合わない。
ありすの身体がキノコバグスターの中にめり込んだ。
キノコの表面の波が一瞬凪いだかと思った瞬間、内側から炸裂し周囲にオレンジ色の飛沫を散らした。
「…やっぱり、輝子さん」
その中心でふわりと着地したありすの腕の中で、気絶したように眠る輝子がいた。
「全く、もうちょっと華麗に倒せないものかな」
身体に降りかかった飛沫を掃いながら飛鳥が愚痴る。ありすは睨み付けたが何も言わず、そっと輝子を床に寝かせた。
散らばった飛沫がモゾモゾと動き出し、バグスター粒子となって、部屋の窓から外へと逃げだしはじめる。
「おっと、逃げるつもりのようだけど」
「追います。当然です」
「…終わった?」
紗南がおそるおそる机から顔を出す。
「紗南さん、輝子さんを頼みます」
「え?あ、うん」
紗南が床に寝かされた輝子の元へ走り寄るのと同時に、二人は開いた窓へと走り出す。
「ぁぅ…」
乃々もそろそろと机から顔を覗かせると、ちょうど二人が窓から床を蹴って飛び出したところであった。
「……!?」
「セカンドフェイズ」
「第二ステージ!」
乃々が今まで生きてきた中でしたことがないほど目を見開く中で、二人は空中で同時にレバーを開いた。
『『ガッチャーン!』』
『『レベルアップ!』』
『解き明かせ古代呪文、パズル&ウィッチーズ。』
『DieDieDie!マストダイ!デビルズクライ!』
空中で二人はレベル2へと変化し、プロダクションの正面広場…最初に紗南が戦った場所に降り立った。
飛鳥は片膝を立てた"スーパーヒーロー着地"で、ありすは足元に魔法陣を展開しふわりと…最後に、魔女帽子が彼女の頭にぽふ、と乗った。
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