79:名無しNIPPER
2016/12/17(土) 21:23:49.81 ID:wE4VPC8M0
―――…
「っと!」
「きゃっ!」
自分たちのルームに入った途端、飛鳥は仰々しい動きで立ち止まり、ありすは思わずつんのめった。
「もー、二人とも急に走り出して…うわ」
最後に来た紗南が、眼前を見て思わず声を上げた。
ルームの中央に、巨大なオレンジ色のキノコが鎮座していたのだ。
キノコはドクドクと拍動しながら、その根元からオレンジの菌糸を伸ばして部屋中を覆いつくしていた。
「…また、珍妙なバグスターが現れたもんだね」
飛鳥がガシャットをキリキリと回しながら取り出す。
「…これ、まさか輝子さん?」
ありすの呟きに、飛鳥の動きが止まる。
「だよね、キノコだし…」
「…成程、宿主のイメージから形を作り出すのか。よく気付いたね」
「これくらい何度か見てくれば普通に分かると思いますが」
「…っまあ、倒してしまえば一緒さ」カチッ
『デビルズクライ!』デデデーン
ありすも、すこし顔をしかめながらもポケットからガシャットを取り出す。
「…あなたと一緒にやるのは気が進みませんが、輝子さんを助けるためです」カチッ
『パズル&ウィッチーズ!』テテンテテテーン!
「よし、アタシも!」グッ
紗南も同様にポケットから出したガシャットを押し…
「…あっ!しまった、これ普通のガシャットだ!」
今度はありすと飛鳥が同時にズルッと肩を滑らせた。
「何やってるんですか…」
「そう言えばキミのはプロデューサーに取られてたんだったね…あとで見つけておく必要があるな
今日はボクらに任せて、下がっていてくれ」
飛鳥とありすは体勢を立て直してガシャットを構える。
「「変身!」」
『ガシャット!』
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?』
『アイムア…アイドル!』
変身を察知したのか、キノコバグスターがグネグネと身をよじらせる。
するとどうだ、周囲の菌糸が盛り上がり、奇妙な姿を形作っていく。
「なにこれ…気持ち悪いっ!」
「キノコの人形…?妙なものを」
それは細長い四肢を生やした、人型のキノコであった。
キノコ人形は中央の本体を守るように次々に湧き出してくる。
「わ、わわっ!」
紗南はそれらに囲まれないように、慌ててルームの一角へ…その一角、プロデューサーの机周辺だけは何故か菌糸が全く伸びていなかった。
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