77:名無しNIPPER
2016/12/17(土) 21:20:02.78 ID:wE4VPC8M0
「…わざわざ連れ出して、何ですか。と聞くまでもないですよね」
「バグスターの事?」
「ああ、昨日キミ達と別れた後、少し調べてね。
確かに、バグスターの被害にあっているのはうちのアイドルだけのようだった」
「待ってください、どこでそれを調べたんです?誰も覚えていないのに」
ありすがすぐさま突っ込んだ。
「…前も言ったと思うけど、ボクにはちょっとした協力者がいるんだ」
「例の、白衣の少女ですか?誰なんですか、名前くらい教えても」
「悪いけど言えないよ。…じゃあこれだけ言っておこう、彼女はとある理由でバグスターに追われている。
ボク以外とは会うつもりは"今のところ"無いらしい」
飛鳥は「今のところ」を強調して言った。
「…つまり、今後会える可能性も」
「まあ、あるんじゃないかな。これでこの話は終わりだ、奴らバグスターはどこに潜んでこの話を聞いているかわからない。
奴らに関しては分からないことだらけさ、ボクも…彼女もね」
「…だから、あなたは信用ならないんです」
ありすは不機嫌そうに言った。
「一緒に戦ってほしいなんて言いながら、自分の持っている情報は共有しようとしない…そんな相手と友人になんてなれません」
「バグスターに関してまだ解らない事だらけなのは事実だよ…まあ、無理に信用しろとは言わないよ。隠し事があるのも事実だしね」
「開き直ったって無駄ですよ」
「まあまあ二人とも…」
紗南がいよいよ仲介に入る。先の思いやられる関係だ。
「…話はそれだけですか」
「…情報共有のために、連絡先の交換くらいしようかと思ったんだけど、この調子だと駄目そうだね」
「あ、アタシとなら…ほら、アタシとありすちゃんはユニットだから基本一緒にいるし…」
「橘と呼んでください」
仏頂面のありすを置いて、紗南と飛鳥は連絡先を共有する。
「…そもそも、私たちは本来アイドルですよ?こんなことに時間を割かれるのは良くないと思います」
「じゃあバグスターの動きを放置するのかい?」
「っ…そうは言ってません。私は文香さんを守ると決めた…」
「あれ、それ言っちゃっていいの?」
紗南のツッコミに、ありすは「あ」と小さく声を上げた。
飛鳥がフフッと笑う。
「それも"彼女"から聞いたよ。鷺沢さんを助けたそうじゃないか」
「…どこまで知ってるんですか、その"彼女"は」
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