65:名無しNIPPER
2016/12/09(金) 19:37:47.28 ID:G2Nxxmny0
「終わったみたい」
カウンターから様子を伺っていた紗南が、その様子を見て言った。
「菜々さん、体の調子は」
「え?あ、はい。良くなってきました…あの、菜々はどうしてたんでしょう?」
「…っ…なんでもないですよ。ちょっと倒れただけです」
ありすはきゅっと唇を噛みしめる。
もう覚えていないのだ。バグスターが撃破されたその瞬間に、記憶は消えていくとでも言うのか
「やあ、大丈夫かい菜々さん」
「あ、飛鳥ちゃんまで…なんだかご迷惑をお掛けしてしまったみたいですいません!」
菜々はよろよろと立ち上がる。
「急にフラッと倒れるんだ、驚いたよ。キミもアイドルなんだから無理はしない方がいい」
「そうですね、最近確かに忙しかったですから…もう菜々も歳…じゃなくて!17歳でも無理は禁物ですよね!」
「そうそう、休憩も仕事の一つさ、ハハッ」
「……」
にこやかに笑う飛鳥、紗南とありすは茫然とその姿を見ていた。
―――――――…
「これで分かったろう?…バグスターの行動も、ボクらのガシャットを用いた行動も、同様に誰にも記憶されない」
何事もなかったかのように日常の騒がしさを取り戻したカフェ、三人は置かれた飲み物にも手を付けずに神妙に話をしていた。
「なんで、誰も覚えられないの?」
紗南が率直な疑問を繰り出す。
「さあ?ボクも知らない…ただ言えることは、ヤツらは人間の中に潜み、人間に成り代わって地球の支配者になろうと目論んでいる。そしてこのガシャットとあのベルト…"ゲーマドライバー"は、ヤツらを倒す唯一の武器という事だけさ
そしてゲーマドライバーを使えるのは…」
「バグスターの活動を記憶できる人間だけ…」
飛鳥の言葉をありすが続けた
「そう…まあ、更にちょっとした条件があるんだがこれはボクらには関係ないね」
「なんで向こうはアイドルばっかり狙ってくるの?」
「…?ああ、そういえば確かにそうだな」
飛鳥は一瞬よくわからないという顔をして頷いた。
「それも解らないんですか…」
「ああ、まあ向こうからすればボクらは天敵だからね…執拗に狙うのもわからなくはない」
「だったらアタシ達に憑りつけばいいのに」
「それは無理だろう。ゲーマドライバーとガシャットはヤツらからボクたちを守ってくれる力でもある
外堀でも埋めて孤立無援にでもしようとしてるのか?フフッ、人外の癖に知恵の働く奴らだ」
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