62:名無しNIPPER
2016/12/09(金) 19:32:41.95 ID:G2Nxxmny0
―――…
「…飛鳥さんも、変身できたなんて」
「さっきからそう言ってたじゃないですか…けど、なんで菜々さんが」
ありすと紗南は屋内へと避難し、飛鳥とバグスターの戦いを見ている。
周囲の人たちは、皆散り散りに逃げてしまった。
「そういえば、アタシが戦った時は未央さんがバグスターに…」
「はい、そして文香さん、今回の菜々さん…
多分ですけど、まゆさんの時もそうです。しっかりプロデューサーさんから聞く必要があるかもしれませんけど」
「皆、うちのアイドルだね」
「それです…もしかすると他のところでもバグスターとやらの被害が出てるかもしれませんけど、今のところはアイドルだけが狙われてます…」
「どういう事なんだろう?」
「解りません、解ったら苦労しません…だから、飛鳥さんにはいろいろ聞きたいことがあります」
ありすはキッ、と眼前で戦う飛鳥を睨んだ。
「ハァッ!」
変身した飛鳥の姿は、拘束具めいてベルトの巻かれた衣装だ。
より長くなったエクステを靡かせながら、高速で相手を翻弄している。
大きなウサ耳のように腕を生やすバグスター塊は、腕をやみくもに振り回し応戦、その腕が飛鳥を捉えにかかった。
「フフ、どっちを見ているんだい」
しかし捉えた筈の飛鳥の姿は陽炎のように掠れて消え、バグスター塊の背後にまた同様に現れた。
「デビルヘイズだ!回避コンボの始点になる技だよ!」
「解説は聞いてません!」
興奮した様子の紗南にありすが即ツッコミを入れる。
「武器を持つ必要すらない、ねっ!」
飛鳥はそのまま、赤熱する拳をバグスター塊に連続で叩き込む。ヘルファイアナックル!
「ハアッ!」
思い切り振りかぶった最後の一発の衝撃のままにバグスター塊はぼんぼんと数度バウンドし、そして腐った果実のように潰れ霧散し始めた。
「フ…まあ叩き起こされたバグスター程度ならこんなものか」
霧散していく粒子の中から、安部菜々の姿が現れる。
「っ…!」
「あっ、ありすちゃん!」
思わず走り出したありすを紗南が追いかける。
「紗南さん、足を持ってください」
「う、うん」
見る間に収束していくバグスター粒子を横目に見ながら、ありすと紗南は菜々を店内へと運び入れる。
「菜々さん、大丈夫ですかっ」
「ん…あれ…ここは…?」
「お店の中だよ、大丈夫?起きれる?」
「あっすいませんっ!なんかお手数を…あつつっ」
菜々は起き上がろうとして、腰を抑えてまた倒れ込んでしまった。
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