紗南「仮面ライダーサナ」
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47:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:25:07.08 ID:qJIGiTwi0
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「…ただいま戻りました」

ありすはよろよろと疲れた様子でルームへと戻ってきた。

「おかえりー、あれ、なんか疲れてる?」

「…紗南さん、まだやってたんですか。杏さんも」

「うん、今ねー、100戦サバイバルマッチ中なんだー
 どっちが先にやられるかって」

紗南と杏はそれぞれソファと床に座りながらゲーム機をピコピコと揺らしている。

「今82戦目なんだけど、まだ決着つかなくてさー」

「杏さんに最強ゲーマーアイドルの座は明け渡すもんか!」

「前落ちものパズルで負けてるじゃーん」

「ぐぬぬ…それはそれ!これはこれ!」

「…ハァ」

ありすはため息をついて、ソファに深く腰掛けた。
あのすぐあと、文香はありすの後ろで気絶するように眠っていた。
急いで起こしたが、何が起きたのかまるで覚えていないようだった。念のため救急車で運ばれていったが、おそらくは何ともないだろう。あの時の未央と同様に…

そう、同様に…何も覚えていないまま…

「…なんで、私たちだけ覚えてるんでしょうか」

「…っ、あ」ビロビロリーン

「よっしゃ勝ちー、へへーん、やはり最強ゲーマーアイドルはこの双葉杏様って事だねー」ピロリロリーン

「ちょ、ちょっと気が散っただけだし!今度は勝つから!」

「そうー?」

「……杏さん、さっき部屋の前できらりさんが飴持って待ってましたよ」

「え、マジで!?」スタコラサッサー

紗南の様子から何かを察したありすは、適当なことを言って杏を外へと出す。

「…やっぱり、気にしてるんじゃないですか」

「…バレてたか。いやというか、ありすちゃんも何かあった?」

「まあ、ありました。話すと長くなりますけど、とりあえずこれ」

ありすはそう言って、ポケットから「パズル&ウィッチーズ」の変身ガシャットを取り出す。

「あ、これ…あの時一緒に落ちてたやつか」

「そうです。あと、これも」

ポーチの中に隠したベルトも見せる。

「…もう一つ、同じのがあったの?」

「これは予想ですが…誰か、私たちにこれをこっそり渡しておきたい人がいるんじゃないでしょうか」

「…何のために?」

「それは…わかりません、けど、多分…多分ですよ?
 私たちに…あのオレンジ色の怪物たちを、倒してほしいんじゃないか、って…」

「きらりいないじゃーん!」

杏がもう戻ってきた。
二人は立ち上がり、部屋を後にする。


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