志希「それじゃあ、アタシがギフテッドじゃなくなった話でもしよっか」
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100:名無しNIPPER[saga]
2017/03/06(月) 19:05:51.61 ID:QqrE/sCZ0

「でも」と言いかけて、アタシは口を噤んだ。
もしも、ほんとうにそれが理由だったとすれば、女の子は最後にはどんな気持ちになってしまったのだろう。どんな思いで彼に「ごめんなさい」と告げたのだろう。

アタシには分からなかった。分かりたくもなかった。

「考えていることの全てを分かり合える、そんな人たちがいると俺は思わないけど、だけど、女の子はきっとショックだっただろうな」

彼は眠そうに瞼を擦りながら、口を動かしていた。

「女の子ははじめから普通の人に憧れていた。だから、普通の生活が嫌だと感じて逃げたんじゃない。

女の子は、知ってしまったんだよ。どうあっても、男と自分が理解し合えないことをさ。

普通の人間になるフリをして、以前の自分を捨てて、それでも男のことは分からなかったんじゃないかな。

……たぶんだけどさ。俺はそう思うんだ」

アタシは何も言わずに黙っていた。まるで、それがじぶんに宛てた言葉のように思えて仕方がなかった。




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