季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
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5: ◆MhRo2YnWE.V/[saga]
2016/09/28(水) 12:54:28.49 ID:MuKRWnx20
 ……まあ、今は聞かないでやるよ。
 俺は空気が読める男。空気を適切に段落分けし、濁点と半濁点、句読点を打ち込み、行間すら解してみせるのが名プロデューサーというもの。
 ま、あの時のお前の気持ちは読み取れなかったわけだが。仕方ない。人の心までは誰もわからない。そういうことにしておく。

「……どうしたんですか、黙ってしまって」

「ん? いや、勉強の邪魔をしちゃ悪いかなって」

「わかっていますよ。私に見とれていたんでしょう」

「そういうところあんまり変わってないよな」

 合ってるんだけど。
 いつまでも子供だなんて、考えてはいなかったつもりだったけどさ、……大きくなるのはあっという間だな。
 俺は氷水に近づきつつあるアイスコーヒーをすすった。……もう少しだけ、アイスの季節が続くはずだ。
 また一つ問題の答えにたどりつき、ペンを走らせ終えた幸子が、コーヒーのおかわりを頼んだ。彼女はホットを飲んでいた。

「まだ暑くないか?」

「私は受験生ですから。身体を不用意に冷やしてはいけないんです」

「ふむ」

 じゃあ、もういいか。残暑が過ぎ去ってからと思っていたけど。


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