季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
1- 20
32: ◆MhRo2YnWE.V/[saga]
2016/10/12(水) 04:09:51.12 ID:WjS2YlCB0
 せっかく聞こえないフリをしてやっていたというのに、男心のわからないやつだ。俺が女心がわからないやつみたいじゃないか。

「まあ、幸子のたくらみは大体わかったよ。どういうリアクションをすればいいかはわからんが」

「……何かフォローをしてください」

「あー、そうだな」

 さっきまでの、幸子が俺に箸を差し出す光景を思い出す。
 ……ああいうのをやったことはなかったが、悪くないものだ、と感じていた。

「俺はなかなか楽しかったよ、うん。嬉しかった」

 思いもよらない言葉だったのか、幸子の目が丸くなって。すぐに顔をそむけるように、自分の手の中の弁当へと目を戻した。

「……ふ、ふーん。じゃあ、いいです……」

 小さな声で、ぽつり。
 何がいいんだろ。思わず少し笑ってしまうと、幸子はなぜか悔しそうな顔をした。
 しばらく、二人で無言で箸を動かす。本当にうまい。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
59Res/43.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice