季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
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28: ◆MhRo2YnWE.V/[saga]
2016/09/30(金) 21:53:25.44 ID:pRXmeXlp0
「思わぬハプニングでしたが、私に食べさせてもらえるんですから、アナタにとってはラッキーな展開です! そうでしょう?」

「わ、わざとだな」

「なんのことだかわかりません。さあ、口を開けてください」

 ……この人気の少ない公園。すでに計画は始まっていたのか?

「そ、その箸を貸してくれればいいだろう」

「だめです。これは私のお箸です」

「……じゃ、俺がコンビニで箸をもらってくるから……」

「この近くにはコンビニやスーパーはないんです。わざわざそんな手間をかけさせてしまうのは申し訳ありません!」

 完全にはめられてるじゃねーか!
 俺が内心絶叫、実際には絶句していると、だから、と彼女は更に前に出てくる。俺はのけぞる。

「私が食べさせてあげますね! 遠慮はいりませんよ!」

 いやしかし、と思う。
 が、ここで俺は気づいた。幸子の声がだんだんと、大きくなってきている。その目も少し潤んで、肌も少し赤くなって、汗が浮かんでいるような……。
 ……そうか、そうか。
 それがわかってしまうと、急につっぱねる気持ちがへこんだ。

「わかったよ」

「……だから、私が、え?」

「……口をあければいいんだろ、ほら」

 そういうわけで、口を開けた。……他人に口の中を見せるのは、恥ずかしい。


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