季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
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◆MhRo2YnWE.V/
[saga]
2016/09/28(水) 22:45:39.95 ID:MuKRWnx20
楽しみにしながら、ただの水になりつつあるアイスコーヒーに口をつける。この日差しの中を歩くなら、水分補給は大切だ。
……やっぱりマフラーは早まったかな、と思ったけれど、幸子は着けたままで気にした様子もない。
「歩いていくなら、マフラーは外したほうがいいんじゃないか」
「そんなもったいないこと、しませんよ」
そう言って幸子は、その名前の通りに幸せそうに笑うのだった。
……熱中症には気をつけないとな。
「ごちそうさまでした」
コーヒーを飲み終わった幸子がすぐに立ち上がる。よし、行くか。
俺が自分のカバンをつかんで口を閉じていると、幸子はすでに自分の大きなカバンを持って、レジに向かっていた。
ん、おいおい、まさか俺の分まで払うつもりか。
「お願いします。三千円で」
さっと支払いを済ませて、幸子は外に出てしまった。俺は慌てておいかける。
ありがとうございます、というウェイターの声を背に俺が扉を開けると、そこに彼女は立っていた。
こっちを見て楽しそうに微笑む、マフラーの女の子。
彼女の背は、俺の顔……口を少し超えて、鼻にさしかかるあたりの高さか。初めて会った時は、俺の胸あたりまでしかなかったのにな。
……参ったな。何が参ったのか自分でもわからん。でもまいった。
「さあ、行きましょうか」
「その前に、俺のぶんくらいは払わせてくれ」
「いりません。一度、男の人の分まで支払うのをやってみたかったんです。いい気分ですね」
「……じゃ、ご馳走になるよ」
幸子は、少しだけ声を出して笑って、俺と並んで歩き始めた。
優しくなった目が、弓を描く。……笑顔に、鼓動が少し早くなる。
俺だけにそんな顔を向けて……もったいないとは思わないのか、おい。
まだそんなことを考える俺は、女々しいかな……。
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