季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
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11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/28(水) 22:31:34.62 ID:MuKRWnx20
「お待たせしました」

 幸子が頼んだコーヒーのお代わりを、ウェイターが運んできた。
 笑顔で受け取って、そのまま一口。幸子はコーヒーをブラックで飲むようになったんだな……。あれ、前にも思ったっけ、これ。

「……これを飲んだら、出ましょうか」

「ん? ああ、そうか」

 二人で喫茶店に入ってから、一時間半ほど過ぎていた。
 さて、この後はどうするか。図書館とかがいいんだろうけど、あまり大きな声で話すと注意されるからな。
 ……って、今の幸子には不要な気遣いか。
 いかんな、まだ昔の彼女のつもりでいる自分がいた。軽く頭を振る。

「どうかしましたか?」

 これを悟られると、多分幸子は怒る。少しだけ声が低くなって、妙に言葉と言葉の間が空いて。
 昔みたいに、大きな声を出さない分怖いんだよ。
 なので、なんでもないという風に答える。

「いや、これからどうしようかと思ったんだ。図書館にでも行くか」

「そうですね。でも、少し公園に寄り道させてください」

 公園……ああ、あそこか。図書館まで行く道の途中に、大きな公園がある。
 幸子はなにやら、意味ありげな顔をしている。企みがあるのか。受けて立とう。


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